この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
依頼者は、自動車を運転中に追突事故により受傷し、頚部痛、めまい、嘔吐等の症状を発症し、頚部挫傷、膝蓋骨亜脱臼後などと診断された。入院治療により上記症状は改善したが、途中から歩行時に膝の痛みが出るようなった。検査の結果、膝蓋軟骨の損傷が見つかり、切除手術を受けたが、膝の拘縮が改善せず、可動域制限の障害が残った。しかし、相手方保険会社は、事故と膝の障害との因果関係を否認した。
解決への流れ
相手方に対する損害賠償請求訴訟を提起した。相手方は、膝の痛みが入院後一定期間経過後に出てきたことから、膝の後遺障害の因果関係を否認した。そこで、専門医による鑑定を申し立てた。依頼者を診察した鑑定医は、依頼者の初診時から膝関節の打撲外傷が認められたこと、事故直後は中枢神経系障害が表面化し、膝関節の障害はそれ程認知しなかったと推測されることなどを理由に、因果関係を認める鑑定意見を述べた。裁判所もこれを採用して、相手方に膝の後遺障害に基づく損害の賠償を命じた。
依頼者が受診した病院の医師は、膝の後遺障害について事故との因果関係を肯定していましたが、依頼者の主治医の見解だけでは客観性に欠けることから、中立な専門医による鑑定を申請しました。そのことが、結果的に依頼者に有利な判決に結びついたと考えられます。